グレ教員の日々の感想

学校嫌いな小学校支援学級教員。日々の思いを忘れないように書くブログ。子育て、学校、読んだ本とか。専門は発達障害支援。

「ブラック部活動 子どもと先生の苦しみに向き合う」を読んだ感想

ブラック部活動 子どもと先生の苦しみに向き合う

ブラック部活動 子どもと先生の苦しみに向き合う

 

本の概要

 

小中高と、どの学校にも存在する「部活動」。加熱する部活動がもたらす弊害を、生徒・保護者・教師、それぞれの視点から切り込みます。

自主的だから加熱する」「自主的なのに強制される」など、部活動が極めて異様な状況であることを、体験談をもとに分析する。

 

本の感想

 

暗い気持ちになります

悲しい気持ちというべきかもしれません。全部で9つある各章には、部活動に関わる教師や生徒、またその保護者の証言が話し言葉ででてきます。部活によって生活にどんな悪影響が出ているかが、生々しく綴られています。

正直、他人事に思えませんでした。これから(だいぶ先ですが)義務教育に進む我が子ももつ身なので。また、知り合いに教員の方いっぱいいますし。

 

知らなかったけど大事な給特法

部活動を語る上でのポイントとして、著者は法体制を挙げています。教職員は全員、文科省の告示を受け、学習指導要領にもとづき教育課程をこなします。

教職員の勤務、及び給与は労働基準法に基づきますが、「残業代」にあたる規定は除外されています。そのかわり「給特法(効率の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法)」によって4%の月額増しが決められているそうです。

 

つまり、「給料の4%で無限に残業させられる」状態なんですね先生って。

ちなみに、この法律が制定された1966年の教員の残業時間からすると、この4%という数字は妥当ではなかったかと著者は述べています。しかし、現代はその頃よりも教員の就業時間は大幅に増加しています。

 

ちなみに前述した「無限に残業」は正確ではなく、残業を命ずるには「限定4項目」に該当する必要があり、「部活動」はその4項目に入っていないそうです。なので、夜遅くまで部活動をみている先生は、「自ら進んでボランティアでやっている」ことになっているそうです。まさにブラック企業の構図。

 

部活対策問題プロジェクト?

現在、全国の教職員がネットワークをつくり、部活環境の改善に向けた運動をしているそうです。

著書中に、「SNS等で広めて欲しい」旨の記述がありましたので、いくつか関係者の方の活動をこの場でも紹介させていただきます。

 

bukatsu1234.blog.jp

twitter.com

いやー、本当にこの先生方はすごい。ずっと続いている何かを変えるってホント大変なんですよね。

 

考察はまた別でやろう

部活のあり方については、わが国の教育と大きく関わるので、とても大事なことですね。私もこの著書を読んでいろいろわちゃわちゃと考えが出てきたので、また別の機会に考察したいなと思いました。まぁ考えがまとまれば、ですけど。

 

まとめ

良書。教育関係者必読。