グレ教員の日々の感想

学校嫌いな小学校支援学級教員。日々の思いを忘れないように書くブログ。子育て、学校、読んだ本とか。専門は発達障害支援。

イチ教員が「なぜ最近の若者は突然辞めるのか」を読んだ感想

本の概要

 

ツナグ働き方研究所所長 平賀充記 著

 

・優秀な部下ほど急に辞めてしまう

・若者に仕事が頼みづらい

パワハラが気になって指導がしにくい

 

など、会社における「若者」の扱いに悩みを抱えている「オトナ」世代に向けた著書。

若者世代の性質をその時代の社会環境から考察し、オトナ世代の性質と異なる点を分析。その上で、オトナ世代に対してのアドバイスを詰め込んだ本。

本との出会い

本屋うろうろしてたらタイトルに惹かれて手にとった1冊。

2歳の息子を連れていた(子どもに必要な荷物多い)ので、子どもが昼寝したすきに電子版を購入。起きるまでスマホで読んでいました。

難解な表現もなくみやすくまとまっていてスマホでもスラスラ読みやすい本でした。

 本の要旨

「若者」と「オトナ」は全く考え方の基礎が違う。若者とオトナ世代は「違う感覚で生きている」ことを理解することが重要。

と、いうことを説いていると思います。SNSなど若者の周囲を取り巻く環境から考察することで説得力がある説明となっています。

 

ちょっとわかりにくいので、著書中の「若者」と「オトナ」のやりとりの一部を略して抜粋いたします。

 

クライアントからの依頼変更を部下がメールで上司に伝えたやりとり。

上司(オトナ)「メールで送るだけじゃなくて一声かけてよ。もしメール気づかず埋もれちゃってたらどうするの?」

部下(若者)「(メールのあと一声かけろ、ってメールの意味ないじゃん。報告のタイミングも合わせなきゃいけないし。メールを見落とす前提とかじぶんに能力がないって言っているようなもんじゃん」

本の感想

一言でいうと、「若者」と「オトナ」どっちもわかる・・・というのが一番の感想。

私は今年で30歳となりますが、この本で度々紹介される「若者はこう思う」「オトナはこう思う」どちらの気持ちもわかる、ってことが読んでいて度々ありました。ちょうど私自身がこの2つの間にいる世代なのかもしれません。

しかし、いつの時代もこういった視点は必要ですよね。教員をしている私も常に「子どもはどう考えているか」を考えていますし。(そのために子どもが見そうな流行りのYoutuberやゲームはチェックしています)今後日本でも、終身雇用型(一生一社)みたいな働き方は減っていくでしょうし、辞められたくなかったら若者に配慮するのも必要でしょう。最近では「私、定時に帰ります」なんてドラマもありましたよね。現在の日本の働き方、に言及するいいドラマだったと思います。

 

「学校」という職場は若者にとって魅力的か?

ふと私の職場である「学校」にあてはめて、「若者にとって魅力的な職場か?」について考えてみると。私はまったく魅力的ではない、と思います。

実は、幸運にも?私の短い教員人生で「すぐに辞めた若者」にはまだ会ったことがないのですが、それはたまたまかな、と思っています。だって学校って、この本に書いてある、オトナの代名詞的な「理不尽」や「非合理」の集合体的なところありますからね。教員になった当初は、非効率なことや、非合理的なことが嫌でそれを指摘したら、「きまりだから」「前からそうしてるから」で何度はねのけられたかわかりません。そういう時、この本に書いてある「若者」よろしく、ほんと辞めたくなりますよ、マジで。今は惰性で続けてしまっています。もしかしたら自分も毎年入ってくる「若者」に対し、自然と理不尽なことをしているのかもしれません。

せめて今後教師を目指す若者に愛想つかされないように。教頭・校長・委員会の方々、この本読んで。

 

まとめ

最後は学校の愚痴になってしまいましたが、組織で部下をもつ人にはぜひ読んでほしい一冊でした。