グレ教員の日々の感想

学校嫌いな小学校支援学級教員。日々の思いを忘れないように書くブログ。子育て、学校、読んだ本とか。専門は発達障害支援。

重度障害の国会議員誕生のニュースを見て考えたこと

2019年7月21日に投開票された参議院選挙で注目された2人の議員について、巷ではいろいろと話題になっているみたいですね。

個人的に思ったことを。

 

 

重度障害の議員さんについて 

7月30日毎日新聞の記事を参照。

https://mainichi.jp/senkyo/articles/20190730/k00/00m/010/267000c

・れいわ新選組が比例で2名分議席獲得

・2名の議員さんは重度障害で常時介助が必要。

・介助にかかる費用は「特別に」参議院が出す

 

 

参院が「特別に」当議員の介護費用を出す。

つまり、いまの法律では「働いたり通勤したりしてるくらい元気なら、介助者はキホン全額自腹で雇ってね。家にいるくらい重度なら9割は国が出すけどね。もしそれでも働きたいなら職場に「介護費出して」って頼みな」っていう建て付けになっています(と私は読みました)。

 今回の場合、全額は障害をもった国会議員側が「全額自腹しながらでは議員の仕事はできない」と訴え、参院側(職場側)が「じゃあしばらくはウチが出すよ」という流れになったわけです。

 

私自身は「当然だろ」って思ってる

 

いやむしろ出さない選択肢あるの?って思ってます。仮にも国民が投票し、選挙で当選し、国民の代表としてなった議員ですよ。(選挙制度の仕組み云々はおいておいて)。国民の代表が「障害が理由で国会議員として働けない」って、近代の国家としてどうかと思っています。

 

「国会議員だけ特別なのか」「一般企業で、全額会社負担はありえない。(それを認めると、会社側が障害者を雇うのをしぶる」というご意見、これは正しいと思います。

だけど、特別でもなんでもいいと思っています。

 

前例をつくるのが大事。

特別支援学校で障害をもった当事者(家族含む)と多くかかわっていると、障害をもった方たちはまだまだ社会で生きづらそうにしているのです。障害者に対する配慮ははっきりいってまだまだ浸透していないと思っています。

そして、例えば障害をもった人が「学校でに入学したい」「どこどこで働きたい」「どこどこの施設で遊びたい」などを望んだときに(健常者だったら何も考えずに望めること)、マジョリティ側に一番言われる理由が「前例がないんで・・・」「やったことないんで・・・」という理由です。

学校でもしばしばそういうことを立場上言わないといけないことがあり、大変心苦しいところもあります。例えば「〇〇してほしい、介助してほしい」と当事者から希望されたときに、「いやそこまでの配慮はやったことないし・・・・そういや人手もないし、なにかあったら困るし、、、、」と。

(ちなみに、「合理的配慮」という考え方がありまして、まぁかんたんに言うと、「障害を理由に活動の制限がされないように、できることをやろうね」ってことです。)

news.yahoo.co.jp

もちろん断る側は様々な事情やリスクを考えて断っているんだと思うし、そこに悪意や差別意識はありません(つもりです)。

だけど当事者側からしたら、「前例がない、ってなに?できるかどうか少し考えてよ」って感じで正直意味わからんわけですね。受け入れ側に悪意や差別意識がなくても結果からしたら差別と思うことも多々もあるでしょう。

 

前例をつくるのはパワーもった人が必要

障害者に限らず、初めてやることについて「前例がない」状態から「前例をつくる」ってのは並大抵のことじゃないですよね。

けど、それを誰かパワーがある人が既存のルールや枠組みを無理やり変えてねじこんでいかないと、変わらないんですよ。特に社会的弱者の議論は、常に脇におかれた状態になりますので。確かに、わがままに見えるかもしれませんし、弱者は規則を守らなくてよい、というつもりもありません。

 

ただ、国会という日本の中心の場で、「重度障害者が議員となった」ひとつの前例をつくろうとしている。コレ自体はひとつ意味のあることではないでしょうか。私はそのためなら、介護費や、バリアフリー化くらいの特別措置、くらいやってあげたらいいんじゃないかと思っています。そうでなくても国会や議員さんって、特別なもの・場でしょ?手当やら何やら今更ですよ。そこで一般企業と比較するのもどうなの?とちょっと思います。

 

そして、その前例をつくったパワーの持ち主である山本太郎さん(もちろん2名のれいわ議員さんも)は本当にすごいなと思います。(あまり人柄は好きではないのですが・・・)まぁせっかく一石を投じていただいたわけだし、頑張って欲しいと思います。

 

もちろん、評価はシビアに行こう。

これまで、れいわの議員のお二人を擁護するような感じで言ってきましたが、政治家のみなさんに望むことはただ一つ。「我々の生活をよいものにしてくれ」ということ。そしてれいわの皆さんに投票した人たちの期待は、「障害者の生活の向上」ですよね。

なので、冒頭出た介護費の特別待遇の話も、「特別」ではなく「制度」として一般企業でも適応できるような枠組みを作ってほしいですし、この社会が障害をもった人でも生きやすいものにしてほしい。

だから、とりあえず今はじっくり見ていこうと思います。

国会議員として、その使命が果たせないのであれば、その評価は選挙の結果で国民の審判があるでしょうし、働く前から「できるわけない」など決めつけることがよくないですよね。

 

まとめ

・れいわの2人の議員さんは前例をつくったという点で一定の評価

・議員としての評価はこれからみんなでしていけばよい

 

 

れいわの2人の議員さん、無事に初日登院できたみたいですね。 

 

 

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