「教師の働き方を変える時短」を読んだ感想〜これくらいもしていない教師は多いってこと、、、。つまり伸びしろ大!
本の概要
著者は小学校の現職の先生。著者が実践している「学校での時短術」のアイデアを40個、紹介しています。
学校という特殊な現場に特化して書いているため、初めて「時短」を意識したという先生もすぐ使える内容になっているかと思います。
本の感想
斬新なアイデアはさほど...
時短系のビジネス書は本屋に行けばいくらでもありますし、「早く帰りたい、仕事を早く終わらせたい」と思ったことがある人なら教員をしている人なら少なからず手にとっているでしょう。ということで、時短系の本をよく読んでいる人ならそこまで大きな発見はないかもしれません。
学校に特化した「時短」
とは言っても、これまで我々教師がビジネス書等の「時短」本を読んだ際、自分の職場で実践するために、要素を抜き出して変換する作業が必要でした。学校っていう職場はかなり特殊な場ですからね。それをすっとばして明日から学校でできる技がたくさん書かれているこの本。この世に学校で使える時短技はいくつも存在しているのでしょうが、その多くはこの本で学べるのかも。そういった意味で「時短」をあまり意識していない教員にとってこの本は良書となるでしょう。
個人でできないことも書いてあります
この本では、回覧やめましょう、など管理職や委員会レベルでなんとかしなければならないことも書いてあります。回覧については結構ビジネス書でも見ますよね。「スタンプラリーが日本の生産性を落としている」とかね。(スタンプラリーってのは回覧チェックのシステムのこと、「見ましたよ~」っていう意味で書類に印鑑を落としていき、最後の管理職の印鑑がもらえたら決済できる、ってやつ。)
個人レベルではどうにもなりませんが、「アレって意味ないよね」って思っている教員が増えるともしかしたらなにか変わるかもしれないし。「個人でできる時短」と「組織(学校)でできる時短」を頭に入れておくとよいかもしれないですね。
心に残ったこと
「そもそも教師としての業務量が膨大なので、優先順位を決めても効率化はしにくいのです」
P.41 原則04仕事に優先順位をつけ「ない」より
ビジネス書だと殆どの場合「優先順位をつけよ」っていうのが多数派なので、おっ、と思いました。最近ではこの考え方も増えてきているようです。
半分賛成で半分反対。優先順位をつけるのに時間をかけるのは本末転倒ですが、優先順位をつけ続けていると「やらなくてよい」仕事に気づけることがあるので、優先順位の意識は重要だと思います。
私はいまは仕事を前日のうちに、「「明日中にやる」「それ以降でも良い」ものに分けて日々仕事を行なっています。Todoist というアプリで管理しています。
Ctrl+Cでコピー、 Ctrl+Vでペースト
P.108 「ショートカットで仕事を倍速に」より
マジかよ、って内容ですがこれも40個のアイデアのひとつとして1項目として紹介されています。わかっている人にとっては「学校の先生ヤバww」ってなるかもしれませんが、それほどまで学校というものは「時間をかけずに仕事を行う」ことが意識されてこなかったとも言えるでしょう。個人の体感ですがこのショートカットすら知らない先生、たくさんいると思います。こういう基本的なことを教えてくれるのもこの本の魅力です。
ちなみに私はショートカットはおろか、コピー&ペーストすら知らない先生と組んだことがありますよ。その方は去年と同じ内容の書類が出したくて、去年のデータを開き、紙に印刷し、その紙を見ながら一字一句同じ文章をワープロで打ちこんでいました。
まとめ
教員の「時短」本としては秀逸かと。学校に1冊おいてみんなでよんでもいいですね。