グレ教員の日々の感想

学校嫌いな小学校支援学級教員。日々の思いを忘れないように書くブログ。子育て、学校、読んだ本とか。専門は発達障害支援。

【公認心理師】小学校教員の心理師試験について。【2日目】

小学校教員で、幼児が家にいると、公認心理師の勉強時間は1日にほとんど取れません。

ので、ブログで1日1~2問過去問をさらっていく作戦に出ます。

 

公認心理師第2回 午前問題より

問3  20 世紀前半の心理学の3大潮流とは、ゲシュタルト心理学、行動主義ともう1つは何か、正しいものを1つ選べ。
① 性格心理学
精神分析
認知心理学
発達心理学
人間性心理学

 

 

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【公認心理師】小学校教員だけど、公認心理師の資格受験に挑戦することにしました。【1日目】

公認心理師とは、公認心理師登録簿への登録を受け、公認心理師の名称を用いて、保健医療、福祉、教育その他の分野において、心理学に関する専門的知識及び技術をもって、次に掲げる行為を行うことを業とする者をいいます。

  1. (1)心理に関する支援を要する者の心理状態の観察、その結果の分析
  2. (2)心理に関する支援を要する者に対する、その心理に関する相談及び助言、指導その他の援助
  3. (3)心理に関する支援を要する者の関係者に対する相談及び助言、指導その他の援助
  4. (4)心の健康に関する知識の普及を図るための教育及び情報の提供

厚労省HPより

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116049.html

 

心理士職は学生時代から興味はあって勉強も結構していたのですが、学生時代は結局資格を取ることなく卒業してしまっていました。

が、2~3年前に心理資格(臨床心理士・学校心理士など)が国家資格として一本化されてから、とてつもなく資格取得に意欲が出てきました。

 

学校などで5年以上働いた経験のある人は受験資格がある(区分G:別途講習を受ける必要あり)ので、現職の教師とかでも挑戦できますね。(29年以後5年間に限る、と注意書きがあるので、資格取得したい人は注意です。)

私は大学院がやや心理学よりだったので、そのとき取った単位が使えるらしく、区分Dです。

↓受験資格

https://www.mhlw.go.jp/content/000306882.pdf

 

とりあえず、先日、「受験の手引き」が届いたので、申込期間「令和2年3月9日~4月8日」に間に合うように書類とか整えていこうかと思います。

いや~過去問みたけど普通に難しいですね。

得意分野でも間違えるし、知らない分野だと「???」って感じです。

が、あと3か月ちょっとあるし、がんばります。

 

 

キメラゴンさんの「月収6桁の中学生が一年間でやってきたこと」を読んだ感想

冬休みに読んだ本感想シリーズ。

 

note.com

 

今日はグレ教員がキメラゴンさんのnoteを購入して読んだ感想をつらつら書いていきますね。

 

著者について

中学生ブロガーのキメラゴンさん。

本人ツイッター https://twitter.com/kimeragon01

中学生にして「月収7桁」の収益化に成功しているブロガーさんだそうです。

今は中学校にはほとんど行っていないようですね。

 

noteの概要

キメラゴンさんが、中学生ながらにしてブログの収益化で月収6桁(10万円)を達成するまでにやってきたことや、その心得などをブログ形式でまとめています。

「ネットブログの収益で稼ぐには」を簡単にまとめた感じになります。

ちなみにnoteの価格は1980円でした。最近まで980円だったようですが値上げしたようです。

 

noteを読んだ感想

買おうと思ったきっかけ

キメラゴンさんのことについてはTwitter見てたらTLに流れてきたツイートで知ることができました。

私は現状「ブログの収益化」等にそこまで興味はないのですが、noteの内容というより著者に少し興味があった形になります。そこで、トップツイートで宣伝されていたnoteを購入してみることにしました。

 

「なるほど。頑張れ!」

読み終わった率直な感想ですね。

 

いや、皮肉とか揶揄しているわけではなくて、中学生がこんなふうに自分の考えで稼いでいくことが当たり前の時代になったんだな〜。「いや、すげーな。」ってしか言えない。笑 

なにしろ、私からしたら普段子どもたちの前に偉そうに立っている身分ですからね。中学生があっさりとそんな大金を稼ぐことが、少し信じがたいところもあるのでしょうね。でも今後、「先生より稼いでいる」子がクラスに何人も居るような、そんな時代になっていくんでしょうか。子ども達のジャマはしないように意識して関わっていきたいですね。

 

知っておいて損はない内容

いわゆる「ネットでの売れ方」をまとめたnoteにはなっていますが、全然そういったことに興味のない人でも、「ブロガーやYOUTUBERなどの収益の構造」を知っておけることについては有用な内容になっているかと思います。

勿論これからネットで発信をして稼いでいこうと考えている人にとっては参考になる内容なのではないでしょうか。

実際キメラゴンさんが書いている内容の妥当性は、実践してみないとわからないですが、読んだ内容としては納得できるものだったかと思います。

 

教員は読む価値あるかも。

 

クライアントを知る、って意味で。つまり今の小学生、中学生がどのような人をリスペクトするのか、ってことで。

いまだに職員室や酷いときには教室でブロガーとかYoutuberとかを「楽して稼いでいるしょうもない職業」という感覚で語っている先生方いますからね。

そういう人たちはどれだけ彼らが努力しているか知ったほうがいいですね。そしてどれだけの人たちに必要とされているかもね。まぁそもそも楽して稼ぐことの何が悪いのか。っていうのもあるけど。

 

まぁいずれにしても、自分が担任している子どもたちにもきっとネット収益化する子も出てくると思いますし。中学生ができる発信がどのくらいなものなのか、先生が知らないんじゃ困りますからね。

ましてや、この著者のような学校に行かずにネットで稼いでる学生のことを馬鹿にするような発言をしようものなら、生徒には信用されなくなるでしょう。

 

価格を考えると正直物足りない

ここで、価格にも一応言及。

厳しい評価にはなるが、この内容だけで1980円は高い。と思ってしまいました。

少なくとも、①「ネットでの発信による収益化に興味がある」②「キメラゴンさんに興味がある」のどちらかの理由ががなければ無理に買わなくてもいいかな、と思います。

同価格帯の一般的な書籍と比べると、文量は圧倒的に少ないです。

逆に言うと文量少なくて読みやすいのは間違いないです。15分くらいあれば読めるかと思う文量ですね。

 

間違えてほしくないのは書いている文字量に対して内容は決して薄くないです。むしろ、noteという媒体であることを意識して、文字数をできるだけ減らしている気がします。

 

まぁ私自身がブログ収益化について、あまり興味のないこともあるのかもしれないが、この内容であれば1980円は少し物足りないの感じたのは正直なところです。また、この手の内容はyoutubeやその他のブログ記事でも探せば見つかる内容かな、とも感じました。

 

お金の稼ぎ方、というキメラゴンさんの手の内を曝け出す内容なので、高額なのは当然ということはわかっています。本とは比べられないこともね。

完全に想像ですが、購入している人の多くは②キメラゴンさんという人物に興味を持って買っている気もしてきましたね。

あ、というかアレか。noteを売りたいなら、「どれだけ著者に興味を持たせるか」という売り方をしなきゃいけないってことなのかな。ここまで書いていて思いました。なるほど、確かに収益化そこまで興味ない私にも2000円出させたってことで、キメラゴンさんのマーケティングはとてもうまいですね。

 

小中学生が価値を生み出せる社会への希望

このnoteはキメラゴンさんのように、若くして自分の力で道を切り拓いて行く小中学生にとっては希望であり、有用な道標になるのではないかな、という気がします。

最近売れてるどの本読んでも書いてあることですが、今後「みんなと同じ」ことに価値はなくなりますからね。「自分なりの生き方」を見つけ、実践をし続けた著者には尊敬します。素直に。

 

著者は勉強家だと思う

著者は中学生ですが、学校には行かずに仕事をしていることが多いらしいです。

ブログも少し拝見したのですが、まぁ適当に書ける内容ではなく、見栄えや内容で、「どうやったら見てもらえるか」を研究していると思います。したがって、「中学生なら勉強しろよ」みたいな叩きは不適かな、と思ってます。なにかのインタビューでは「大学に行って勉強したい」ということも言っているみたいですね。とっても向上心があって今後が楽しみな人物です。

 

学校は行ってほしいけどね。

もちろん学校の教育課程をすべてやりなさい、って意味では全く無いですよ。

学校よりも仕事の方を優先したい、という選択、全然ありだと思います。その方がキメラゴンさんにしかできないことをいっぱい社会に落とせる気がしますからね。

ただ、「中学校でしか」得られない経験も(キメラゴンさんにとってはとても少ないかもしれませんが)少なからずあると思うので。そういった経験もキメラゴンさんなら活かせると思うんですよね。なので、時間があれば学校の勉強や行事など、少し時間があったら出てほしいかな、と思っています。

 

 

まとめ

・長くないのですぐ読めるよ!

・ブログで収益化とか興味ある人は読む価値あるよ。(多分)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「理系が得意な子の育て方」を読んだ感想

あけましておめでとうございます。
 
新年1発目の記事ですね。
と言っても、そんなに頻繁に更新しているようなブログではないのですけどね。
2020年も同じようなペースで感想記事と雑感記事を投下していければいいかなと思っています。
 
今日は一冊読んだ本の感想。
 

 

10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方

10億件の学習データが教える 理系が得意な子の育て方

  • 作者:今木智隆
  • 出版社/メーカー: 文響社
  • 発売日: 2019/11/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

1.本の概要

1-1.作者の背景

著者はRISU Japan株式会社(以下RISU)代表取締役の今木智隆さん。
RISUはタブレットを利用した小学生向けの算数教材を販売しているみたいです。
様々な算数のデータ分析をもとに最適化された算数教育を売りにしているみたいですね。
 

1-2.主題

1章では、「やってはいけない算数教育」についての例をあげ、子どもが算数でつまずきにくい算数のより最適な学習法を提案するとともに、具体的に提示しています。
2章では、算数のおさえるべき内容(つまずくポイント)を4つに分類し、それぞれ有効な学習法をしています。
3章では文章題についての考え方を。4章では「理系に育てると人生で得すること」をまとめています。
本全体を通して、RISUの教材がいいものだよ、って話がちょくちょく出てきます。
  

2.本の感想

 

2-1.本の出会い

ずっと気になってたんですよね・・・。
この本というより、自分が小学校で勤めるようになって、「みんなそれぞれ習熟度が違うのに、みんな同じ勉強をしている」ことに。
前の記事でも少し触れましたが、「わかっていないのに次の段階に進んでいる」子が一定数小学校にはいます。この子達って問題が小学校で顕在化すればいいんですけど、多くは中高でつまずくだろうな、ってくらいの際どい水準の子達なんですよね。後述しますが、この本でも書かれている通り、小学校では【理解していなくても】テストでそこそこ70点くらいの点が取れてしまいますからね。
 
まぁそんなこんなで【算数の教え方】が学校だけでは不十分というのはわかっていましたので、それについての本はちょくちょく手にとっていましたので、この本もその1冊ですかね。がっつり読んだのは、この本があまり複雑に書いていなく、わかりやすかったからですかね。
 

2-2.タイトルで勘違いしちゃうと勿体ない。

本のタイトルは「理系が得意な子の育て方」とありましたが、内容は「わが子を【算数が苦手】にしないために」みたいなことの方が正確かな~、と思いました(いや、センスないとか思ったら聞き逃してね)。まぁ突き詰めれば一緒なんですけどね。この本って、難しいことは書いていなくて、中学受験とかするような難しい算数のことではないんですよ。「【算数の基礎】をしっかり理解させようね」「そのためには○○のような学習はしないほうがいよ」っていう内容だと解釈しています。つまり、ほとんどの小学生にあてはまる内容かな。タイトルを「理系の得意な~」にしたのはどういった意図なんでしょうか。「別に【理系】とかどうでもいいし」っていう保護者の方は手に取らないかも、と思ってしまいました(本を手に取ってほしい人たちはむしろそっちなのでは?)。
 

2-3.小学校教師にとって残念な真実

 
1章では、算数の『残念な真実』と称して、15個の算数苦手になる項目を提示しています。
その中で1つ印象に残ったのは
 
『算数嫌いは「算数を教えるのが得意」な先生のもとで生まれている』っていう項目。
 
この項目では先生と児童へのアンケートの集計から、「算数を教えるのは得意と思っている」先生が多いのに、「算数が苦手だと思っている」児童が多いことをあげ、先生が子供たちの理解していないことに気づいていないのでは?という仮説を提示しています。解決策として本書は「算数を学校に任せきりにしない」を提示しています。
 
正直、「ギクッ!」です。私も算数は得意で、算数を教えるのが得意だと思っていたのですが、個別指導したときに、「あれ?全体の説明では子どもが理解していないな?」ってことが多々あり、今一度自分の指導を見直そうと思いました。
 
他にも、「宿題をさせると子供の学力は下がる!?」や「テストが毎回70点の子が[算数苦手予備軍]」などの項目があり、学校のシステムは最適じゃないことを暗に指摘している内容かと思います。
 

2-4.【保護者の方へ】「学校任せにしちゃだめよ。」

 
全部読んだ上で、私は算数教育についての考え方は本書に概ね同意します。
 
今の小学校って算数については本当にレベルが低いと思っています。というか、算数を学ぶことだけでいうと一番よい環境ではない。前の記事で書いた、「教員のスキル」もさることながら、システムがよくない。系統的に学習できるようになっていないんです。
本書の例でいうと、2年生で「位の概念」を理解しきれなかった子どもは、「小数」の概念がでてきたときに間違いなくつまずく。本来、つまずいたときには前の学年の単元に戻って学習すべきなんだけど、そういったことはできない。なので、一度つまづくとつまづきつづけることになります。そして、小人数指導などがない限り(あっても大したことはできないでしょう。その学年の学習はやらされますからね)その子たちは放置されます。
 
何が言いたいかというと、小学校に算数任せちゃだめよ、ってこと。
 
怖いのが、「理解できていない」ことがわかるのが、「つまずく」ときで、そこには時間的なラグがあるんです。(ex.2年生の内容を理解していなかったので3年生でつまずいた)小学校の単元テストっていうのもめちゃくちゃ問題で、理解していなくても点数が比較的出るような形式になっているので、理解していないことに気づかないんですよね。理解しているかどうか、は保護者がその子をしっかり見ていく必要がありますよ。

2-5.先生にできることはあるか?

直接的な表現はなかったものの、学校の算数に対して、厳しい指摘をしてくれている本じゃないかなあ。じゃあ先生たち、学校って何かできることあるの?ってことで。
 
まぁ担任の先生がどれだけ「子供が理解しているか?」の判断に意識を割けるかじゃないですかね?実際は必修内容に対して時数が少ない印象を受けるので相当難しいと思いますが。
あとは、しょうもないことで「算数嫌いにしない」意識を持つことは重要かもしれないですね、せめて。
 
典型的な例を出すと、「掛け算や足し算の順序指導」ですよね。私はあんなもの愚の骨頂だと思っていますが、Twitter界隈見ていると、「『掛け算の順序が違う』ことで×をつける」先生がいっぱいいるようですね。その指導で得られるリターンよりも『子どもが【算数嫌い】になるデメリット』の方が大きいことを考えないのでしょうか、って感じですね。
 

2-6.RISUについて

最後に。正直RISUの教材の宣伝が半分くらいなのかな、と思います。
RISUのホームページを拝見しましたが、個人的な感想を言えば「効果が出るなら高くはないけど、安直に始めるほど安くもない」という感じです。
まだ子供が小さいので現状考えていませんが、就学が近づいたら算数教材の選択肢のひとつとなりうるかもしれません。
 

まとめ

・家庭での算数の指導について重要なことは書いてある。未就学~小学生の保護者は全員読んで損なし。
・小学校の先生は読んでおくと普段の指導が変わると思う。
・教材についてはやってみないとわからない。保留。
 
 
 
 

小学校の全教科担任制という運ゲーが理不尽すぎる件について

小学校の先生ってあたりハズレあるよね。

同じ学校の同じ学年なのにクラス違っただけで与えられる教育の質が違うの不公平過ぎない・・・?

 

 

休みは過ぎるのが早い・・・。

 

2019年ももうすぐ終わりますね。普段忙しい生活を過ごしている教員・学生のみなさんいかがお過ごしでしょうか。

 

 グレ教員は冬休み、年休を使って平日休みを2日ゲットしましたが。うちは子供が小さいので休日は休日で大変ですね~。普段の週末の休みと違って、どこ行っても混んでるしね。また、違う業種の妻は出勤なので育児家事も全部やってると一日があっという間に過ぎていきます。これを毎日やっている育休中や専業シュフの方は本当にすごい。正直専業主夫より教員やってるほうが楽までありますよね。

 

2019年の環境の変化


 さて、グレ教員が今年度、初めて小学校に勤務するようになって9ヶ月が過ぎたわけです。学校視点でいうと1学期、夏休み、2学期が過ぎたことになります。
 私は特別支援学級の担任なので特支の子どもたちに指導を行っているわけですが。特別支援学級担任の仕事といえば、私が直接子供に指導することももちろんあるのですが、特支の子たちが通常学級に入って学習しているのを、そばで支援することも同じくらい多くあるんですよね。小学校の特別支援学級は、子どもたちの学年はまちまち(1〜6年まで一人ずついることだってある)だから、必然的にいろんな学年のいろんな学級のいろんな先生の授業の場に居ることができるんです。授業の多くは支援学級のこどものそば(遠くで見守っていることもあります)にいるわけで、「授業を受ける側の視点」で授業を見る時間がすごく増えたっていうのがここ数か月の私の環境の変化です。
 まぁそんなこんなで小学校に入って思ったことを一つ。うちの勤務校を見たグレ教員の主観です。n=1。α=.03。


こども目線で担任に「あたりハズレ」があるという事実

私ね。いろんな学級で子供のそばでいろんな先生の授業受けてて気づいたんですよ。「教員間の指導スキルの差がでかすぎる」ことに。
不快に感じる人もいるかもしれないが、こども目線から見て、その年の「担任の先生のあたりハズレ」は間違いなくあります。これは、どういった先生を「あたり」と思うか「ハズレ」と思うかはこども(の親)それぞれによって違うと思いますが、絶対にあります。
 今回、私は「学習指導スキル」だけに絞って話すんですが、学習指導においては「あたり」と「ハズレ」と言っていいくらい「できる先生」と「そうでもない先生」の差がでかい。


で、ですね。別にグレ教員は「ハズレ」の教員を否定したいわけじゃなくて。いや「ハズレ」って言葉使ってる時点で苦しい弁明なんですけど。
要は「相対的にスキルの低い先生」って当然いるわけじゃない。それはしょーがない。経験年数とか、これまでの経歴とかいろいろあるから。(あたりまえですけど経験浅い人は相対的にはスキル低い可能性が高いと思います。めちゃくちゃ努力したり資質あったりで初っ端からスキル高い初任もいるんでしょうけどね。)
ただ、先生のスキル差はあるにしても、教育インフラである公立小学校において、ひとつ名簿がズレて隣のクラスなだけで、受ける教育の差が違いすぎるのどうなのかな、って思うわけなんです。
いや、しょーがないよ、って言われればそうなのですが。納得できない部分も市民目線はある。


「教師一人一人のスキルアップを目指す」という解決策は現実と離れている


残念ながらね。

一般の人からしたら「いや、お前ら教師の質を上げればいい話だろ」っていうのが普通な意見かなと思います。
おっしゃるとおり、本当は我々教師が常に勉強し続けて技術や知識を磨いていければ一番いいんですけど。でも、実際の業務の中で全教員対象の研修やら研究って残念ながらほぼできないんですよね。勤務時間内だと日々の業務を回すだけでやっと。つまり「教師のスキルアップ」の多くはそれぞれ先生方の日々の努力にゆだねられる訳です。ってことは当然そこにスキル差は生まれる。

努力できる先生は休日や空いた時間を使って自己研鑽をするが、それができない先生はスキルがなかなか上がらない。(できない理由はいろいろあります。その人たちを否定したいわけではありません)「努力している先生」は授業を見てればすぐわかります。発問のひとつひとつ、端々に出ますからね。


 新規採用から1~3年目くらいまで、業務としての研修の機会が設けられている自治体が多いと思いますし、そこで意味のある研修が行われていればスキル差は埋めることが理論上できますけど。現実としては全教科の指導スキルをあげるだけの研修時間と内容がとられているかといえば、まぁ無理でしょ、っていうしかないですね。 


 そして私が気になるのは研修を少し昔に終えている、中堅~ベテランの先生ですよね。誰かに授業を見てもらう機会もなくなった先生。経験値、っていうのはやっぱりそれなりに強いのですが、本とかニュースとか、最新の情報に触れていない先生はすぐわかりますよね。「いつの時代の話をしとるんや・・・」みたいな。
 この年代こそ努力している人としていない人の差も大きいような気がしています。

 
スキル差対策として「教科担任制」を見ると・・・


そんなこんなでこれまで何十年とやってきた小学校の担任制。これはとても教育を受ける側からして、とても不公平な制度だと私には思います。児童側には担任を選ぶ権利はないですから。
 しかし、小学校にも教科担任制が採用されそうな動きです。(一部の小学校ではすでにやっているとか)「算数」なら算数担当のA先生が、「国語」なら国語担当のB先生がクラスに来て学習指導をする感じでしょうか。中学校や高校と同じようにするってことですよね。

https://www.mext.go.jp/content/1422644_002.pdf

義務教育9年間を見通した教科担任制の在り方について
(論点)より引用
1.小学校における教科担任制の導入により,教材研究の深化や授業準備の効率化による教科指導の専門性や授業の質の向上,教師の負担軽減が図られ,児童の学力の向上,複数教師による多面的な児童理解による児童の心の安定が図られるとともに,小中学校間の連携による小学校から中学校への円滑な接続などが実現できる。義務教育9年間を見通した指導体制の整備に向けて,小学校高学年の児童の発達の段階,外国語教育をはじめとした教育内容の専門性の向上などを踏まえ,小学校高学年からの教科担任制を本格的に導入すべきである

 


小学校高学年から、ということですが、私はこの改革に対して比較的ポジティブな印象を受け取ってます。
複数の教員に教わることによって、各クラスの受ける教育を均すことができ、「ハズレ」クラスをなくす効果もあるのかな〜と思ってます。


※教科担任制の本来の目的はより専門性の高い指導を児童に行うことですので、私が述べている効果は私が勝手に期待していることですよ、そこんとこ間違えなく。。
 

できない子ほど「ハズレ」を引いたときのダメージがでかい


「そもそも小学校の担任に勉強は期待しない」「そもそも学習の責任は家庭であるべき」などという意見もあるんですが、それはその通りです。学習を「学校に任せきり」など親は絶対してはいけません(確信)。
 けど、なかなか学校以外で学習できない子ども・家庭が一定数いるのも事実です。私も指導スキルの低い先生の授業を後ろで見させてもらうことがあるのですが、見ている限り、勉強が得意なことたちにとっては、さほど問題にはなりません。きっと家庭や学習塾などを使って、その担任のスキルにかかわらず学習を習得していきます。

 ただ、勉強が得意でない子たちは、教員のスキルの低さは大ダメージを与えます。勉強の内容がわからないこともさることながら「勉強はつまらない」という意識を小学生段階で強く思わせてしまうのが一番の懸念事項です。そういった子たちは家庭での補教も難しいことが多く、一度つまらないと思わされたダメージは担任が変わっても引き継がれるのではないかと心配します。


ドリーム学校はないからこそ。


今の公立小学校の採用システムや異動システムでは「あたりの先生」だけで構成されたドリームチーム、ドリーム学校は存在しません。これは会社やスポーツチーム、どのような組織でもそうだと思いますが、ことさら学校においては、どうしても相対的に学習指導スキルの低い「ハズレの先生」もいると思います(それは私自身が「ハズレ」に位置することも当然あると思います。そうならないように日々努力しているわけですが)。だからこそ、できる先生が、そうでない先生をカバーできるような仕組み、組織全体で子どもへの不利益が最小限になる方法を考えることもあっていいのではないか、、、と思った次第です。

 

2019年の最後の記事になると思いますが、私の中での2019年総括として、ひとつ無益な雑記を述べさせていただきます。

 

よいお年を。

2030年の世界地図帳 を読んだ感想

 

2030年の世界地図帳  あたらしい経済とSDGs、未来への展望

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望

 

 

 
本1冊読めたので更新。
落合先生の最新作ということで早く読みたかったのですがなかなか土日も風呂敷残業&家事育児で長い間読めずにいましたが、通知表評価なども終わって落ち着いたので。
 

本の概要

現状のテクノロジーの発展を基に、著者の予測する2030年より先の世界の様子を書いています。主にテクノロジーの現状と人口動態を予想の根拠にすることで、かなり信頼性の高い予測をすることができています。ここ数年のGAFAM(Google Apple Facebook Amazon Microsoft)の台頭と影響力からしても、テクノロジーの所有量と分析力により社会構造や権力の源泉の未来予測が可能になってくると著者は主張しています。
 
実際に「2030年の世界地図」も多数乗っています。現時点での予測、たとえばGDPでは中国がアメリカを抜いて1位に。インドが日本を抜いて3位に(日本は4位)になる」や、「国内では2025年に都市への人口集中がピーク。2030年から全都道府県で人口減少が始まり空き家率が急増する」など。
 
そして本書全体を通して著者が中心に置いている概念が著題にもある「SDGs」です。
SDGsとは「持続可能な世界」を掲げて国連で全会一致で採択された概念.
SDGsのポイントとしては「2030年の達成、具体的な数値目標があること」「貧困やジェンダー。労働問題など17のゴールがあること」など。
 

 

SDGsを労働や人口動態に絡めていくことで未来予測をしやすくしているようでしたね。SDGsは世界が従っていく流れになるので、諸外国の動きが読みやすいってことなのでしょう。
 

本の感想

う~ん、難しい!!

読んで最も率直な感想としては「難しい」です。近年の社会情勢だけでなく、近代の世界の歴史を前提にした話題も多く、多少それらを抑えていないと理解が難しいかもしれません。ある程度の基礎知識が必要です。
そもそも落合先生の本は、注釈が多かったり難しい言葉が多いので本書に書いてあることをすべて理解しようとすると普通に読むと相当な時間がかかると思います(日常的に経済や社会情勢、政治に感度が高い人は除く)。
私自身も多分本書に書かれた内容の半分も理解していないとは思いますが、大局観をもてればいいや、読んでいてわからない箇所はある程度とばしながら読んでいました。
読んでいて新しい知識や視野を得ることはできました。が、あらゆる人におすすめできる本ではないかもしれません。理由は言った通り難しいからです。
落合先生のことを知らない人に何かひとつ本を紹介するなら「ゼロヒャク」の方をおすすめしますかね。

 

 少し落合先生の好きな部分が少ない・・・

落合先生のファンであることのひとつに、「日本の成長のポジティブな提案」をどの本でもしてくれるからであります。いわゆる知識人のみなさんの本のまとめでは「日本はオワコンだから、期待せずに個人で生きろ」みたいなのが多い気がするのですが、落合先生は日本の暗い未来の中にも「日本なりの成長の仕方」を提案してくれていて、少し前向きになれるところが好きなのです。が、本書ではそんなに未来への希望みたいな話はなかったような気がします。主は未来予測の分析にとどまっていて、なら我々はどうすればいいのかな、っていう気持ちが残ったまま本を閉じましたね。
まぁそれは私が勝手に思っているだけなので、落合先生がこの本で伝えたいことは、世界の大局観を理解してほしい、ってことだろうと思いますので。
 
 

学校現場に思う。

 
最後に
落合先生の本を読むたび思うのですが。

本を読んでいて、ふと小学校現場に目をやると、これでいいのか、って思いますよね。

これだけ世界は数年前の常識と異なっていて、これから先、大きく変化することがわかっているのに。

義務教育の学校現場は20年前とほとんどやっていること変わらないですからね。
みんなで同じ部屋に入って、鉛筆とノートで黒板写して・・・。
 
自動運転 
AIへの労働代替、農業などもAIへ
マレーシアのクアラルンプールのシティブレイン計画 
アフリカのケニアでのファーウェイのセキュリティシステム。
 
本当に10年前からは信じられないくらい世界でのテクノロジーは発展しています。
 
新しいものを受け入れ、既存の概念を打破していかなければならないこの時代に、「個人を集団に合わせること」が根底にある義務教育のスタンスには不安を覚えざるを得ません。
 
学校の先生は難しくても落合先生の本1冊くらいは読んでもいいんじゃないですかね。そういう人が増えるとめちゃくちゃ少しずつ変わっていく・・・?少しずつだと遅いんですけどね。笑
余談ですが、前に働いてた学校の話で、10人くらい先生がいる場所で当時読んでいた本の話したんですけど、落合先生の名前知ってる人一人もいなかったんですよね。メディア露出も多いし結構有名人だと思っていたのですが。先生方の興味ある分野じゃないってことですかね。
 
まぁ個人の動きとしてはアンテナ張って固定観念にとらわれないムーヴしていきたいですわ。
 
 
初めて知った言葉1個だけ。
 
破壊的テクノロジー・・・iPhoneの登場のように、これまでの概念を一掃するほどのテクノロジーのこと。
 
 

『「家族の幸せ」の経済学』を読んだ感想

 

「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書)
 

 

久しぶりに読んだのでレビューまとめです。

 

最近は土日にまとまった時間がとれなくて、あまり本を読めないでいました。

 

なんか私、平日の隙間時間で本読めないんですよね。集中できないというか。

今回の本は妻が読んでいて、勧められたので子供が昼寝したすきに一気読みです。

 

本の概要

 

結婚、子育て、離婚など、いわゆる「家族の幸せ」について経済学的視点から分析したものをまとめた本です。

経済学なので、考察のベースは統計データなのが特徴です。

注意しなければいけないのは、データはほぼほぼ海外の大学のデータを参考にしていることです。これは、当然といえば当然で、日本でこの手の研究って大規模なものは少ないらしいんですよね。予算の問題や倫理的な問題(日本では、家庭の収入調査したり離婚歴なんちゃらなんてなかなかハードル高いですよね)ですけどね。なので、特に家族に関することって国の文化にとってもかかわりますからね。あくまで参考ってことになると思いますが。

 

本の感想

気になった点を各章より。

 

1章 結婚の経済学より

結婚の経済的メリットは『節約』『分業』『リスク分散』

「子をもつこと自体は経済的にはデメリット」。

 

子をもつことが経済的にデメリットなのは身をもって承知済みです(笑)貯金とか家庭資産の伸びを、子供が生まれる前と後で比べたら一目瞭然です。

 

それ以上に感じる幸せ、はデータではわかりませんけどね。

私は、、、どうかな。2歳になる息子はとってもかわいくて毎日楽しいんですけど。ただ、この先、どう感じるようになるかはわかりませんね。

 

 

3章 育休の経済学 4章 イクメンの経済学より

 

日本の育休制度は、「雇用保障(クビにならない)」「給付金」の面で先進国の中ではトップクラスにいいらしいです。でも、男性の取得率はめちゃめちゃ低い。

 

アメリカなんか実質育休はとれない、ってくらいの制度設計であると筆者は語っています。まぁアメリカは雇用の流動性が高く(一度会社辞めても次の会社に就職できる)

ただ、日本の慣習的に男は育休をとる雰囲気まだまだない。

ちなみに海外の先行研究では、

アイスランドの研究では、男性の育休取得をするほど離婚率が低くなる研究。

スウェーデンの研究では、男性の育休制度を整えたことによって離婚率が上がったデータもあるそうです。著者は、育休に入り、家族の所得が減ることにより余裕がなくなったため、としているそうです。

 

 

男性教員のみなさん育休とってます?

私も妻と相談して、一度育休を1年間とりたいと思っています。

正直、家事育児に専念するのってめっちゃ大変だと思います。私も今年度、妻とはじめて共働きになって、育児家事と仕事両立するようになって、育児家事の大変さがやっとわかりました。育休で本業として家事育児に携わることによって、より家族に対して真剣になれるのではないかと思っています。

 

5章 保育園の経済学より

 

シカゴ大学のジェームズ・ヘックマン「幼児教育の経済学」の紹介。経済学の怪物って言われているらしいです。

このヘックマンの幼児教育の効果を調査する研究が紹介されてるんですけど。就学前の幼児に「就学前プロジェクト」で教育を行ったらしいのですが、なんとその後40歳(!)になるまで追跡調査を行ったらしいです。この根気。すごいですよね。日本の大学ではこんな予算はつけられないですよね。

ちなみに、知能などに幼児教育の効果が現れるのは、小学2~3年までで、そのあとは差はなくなるらしいです。

が、40歳になったときの追跡調査によると、小さい頃に幼児教育を受けた群のほうが所得・生活保護取得率・逮捕率ともによい効果があったことを報告しています。特に、所得的に恵まれている層よりも、経済的にあまり恵まれていない群に効果があったそうです。

 

 

なんか日本でもこういった研究やればいいのに。って思いますね。

 

まとめ

まぁいつものようにまとまらないまとめ。個人的には、信頼性ない経験論を考えのベースにされる話よりも、海外のデータでも客観的指標があったほうが「参考にしよう」という気になります。普段の職場で「先行研究」とか「データ」をもとに考えて行動する人に会わないから、よりひかれるかもしれませんね。