グレ教員の日々の感想

学校嫌いな小学校支援学級教員。日々の思いを忘れないように書くブログ。子育て、学校、読んだ本とか。専門は発達障害支援。

『「家族の幸せ」の経済学』を読んだ感想

 

「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった結婚、出産、子育ての真実 (光文社新書)
 

 

久しぶりに読んだのでレビューまとめです。

 

最近は土日にまとまった時間がとれなくて、あまり本を読めないでいました。

 

なんか私、平日の隙間時間で本読めないんですよね。集中できないというか。

今回の本は妻が読んでいて、勧められたので子供が昼寝したすきに一気読みです。

 

本の概要

 

結婚、子育て、離婚など、いわゆる「家族の幸せ」について経済学的視点から分析したものをまとめた本です。

経済学なので、考察のベースは統計データなのが特徴です。

注意しなければいけないのは、データはほぼほぼ海外の大学のデータを参考にしていることです。これは、当然といえば当然で、日本でこの手の研究って大規模なものは少ないらしいんですよね。予算の問題や倫理的な問題(日本では、家庭の収入調査したり離婚歴なんちゃらなんてなかなかハードル高いですよね)ですけどね。なので、特に家族に関することって国の文化にとってもかかわりますからね。あくまで参考ってことになると思いますが。

 

本の感想

気になった点を各章より。

 

1章 結婚の経済学より

結婚の経済的メリットは『節約』『分業』『リスク分散』

「子をもつこと自体は経済的にはデメリット」。

 

子をもつことが経済的にデメリットなのは身をもって承知済みです(笑)貯金とか家庭資産の伸びを、子供が生まれる前と後で比べたら一目瞭然です。

 

それ以上に感じる幸せ、はデータではわかりませんけどね。

私は、、、どうかな。2歳になる息子はとってもかわいくて毎日楽しいんですけど。ただ、この先、どう感じるようになるかはわかりませんね。

 

 

3章 育休の経済学 4章 イクメンの経済学より

 

日本の育休制度は、「雇用保障(クビにならない)」「給付金」の面で先進国の中ではトップクラスにいいらしいです。でも、男性の取得率はめちゃめちゃ低い。

 

アメリカなんか実質育休はとれない、ってくらいの制度設計であると筆者は語っています。まぁアメリカは雇用の流動性が高く(一度会社辞めても次の会社に就職できる)

ただ、日本の慣習的に男は育休をとる雰囲気まだまだない。

ちなみに海外の先行研究では、

アイスランドの研究では、男性の育休取得をするほど離婚率が低くなる研究。

スウェーデンの研究では、男性の育休制度を整えたことによって離婚率が上がったデータもあるそうです。著者は、育休に入り、家族の所得が減ることにより余裕がなくなったため、としているそうです。

 

 

男性教員のみなさん育休とってます?

私も妻と相談して、一度育休を1年間とりたいと思っています。

正直、家事育児に専念するのってめっちゃ大変だと思います。私も今年度、妻とはじめて共働きになって、育児家事と仕事両立するようになって、育児家事の大変さがやっとわかりました。育休で本業として家事育児に携わることによって、より家族に対して真剣になれるのではないかと思っています。

 

5章 保育園の経済学より

 

シカゴ大学のジェームズ・ヘックマン「幼児教育の経済学」の紹介。経済学の怪物って言われているらしいです。

このヘックマンの幼児教育の効果を調査する研究が紹介されてるんですけど。就学前の幼児に「就学前プロジェクト」で教育を行ったらしいのですが、なんとその後40歳(!)になるまで追跡調査を行ったらしいです。この根気。すごいですよね。日本の大学ではこんな予算はつけられないですよね。

ちなみに、知能などに幼児教育の効果が現れるのは、小学2~3年までで、そのあとは差はなくなるらしいです。

が、40歳になったときの追跡調査によると、小さい頃に幼児教育を受けた群のほうが所得・生活保護取得率・逮捕率ともによい効果があったことを報告しています。特に、所得的に恵まれている層よりも、経済的にあまり恵まれていない群に効果があったそうです。

 

 

なんか日本でもこういった研究やればいいのに。って思いますね。

 

まとめ

まぁいつものようにまとまらないまとめ。個人的には、信頼性ない経験論を考えのベースにされる話よりも、海外のデータでも客観的指標があったほうが「参考にしよう」という気になります。普段の職場で「先行研究」とか「データ」をもとに考えて行動する人に会わないから、よりひかれるかもしれませんね。