グレ教員の日々の感想

学校嫌いな小学校支援学級教員。日々の思いを忘れないように書くブログ。子育て、学校、読んだ本とか。専門は発達障害支援。

2030年の世界地図帳 を読んだ感想

 

2030年の世界地図帳  あたらしい経済とSDGs、未来への展望

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望

 

 

 
本1冊読めたので更新。
落合先生の最新作ということで早く読みたかったのですがなかなか土日も風呂敷残業&家事育児で長い間読めずにいましたが、通知表評価なども終わって落ち着いたので。
 

本の概要

現状のテクノロジーの発展を基に、著者の予測する2030年より先の世界の様子を書いています。主にテクノロジーの現状と人口動態を予想の根拠にすることで、かなり信頼性の高い予測をすることができています。ここ数年のGAFAM(Google Apple Facebook Amazon Microsoft)の台頭と影響力からしても、テクノロジーの所有量と分析力により社会構造や権力の源泉の未来予測が可能になってくると著者は主張しています。
 
実際に「2030年の世界地図」も多数乗っています。現時点での予測、たとえばGDPでは中国がアメリカを抜いて1位に。インドが日本を抜いて3位に(日本は4位)になる」や、「国内では2025年に都市への人口集中がピーク。2030年から全都道府県で人口減少が始まり空き家率が急増する」など。
 
そして本書全体を通して著者が中心に置いている概念が著題にもある「SDGs」です。
SDGsとは「持続可能な世界」を掲げて国連で全会一致で採択された概念.
SDGsのポイントとしては「2030年の達成、具体的な数値目標があること」「貧困やジェンダー。労働問題など17のゴールがあること」など。
 

 

SDGsを労働や人口動態に絡めていくことで未来予測をしやすくしているようでしたね。SDGsは世界が従っていく流れになるので、諸外国の動きが読みやすいってことなのでしょう。
 

本の感想

う~ん、難しい!!

読んで最も率直な感想としては「難しい」です。近年の社会情勢だけでなく、近代の世界の歴史を前提にした話題も多く、多少それらを抑えていないと理解が難しいかもしれません。ある程度の基礎知識が必要です。
そもそも落合先生の本は、注釈が多かったり難しい言葉が多いので本書に書いてあることをすべて理解しようとすると普通に読むと相当な時間がかかると思います(日常的に経済や社会情勢、政治に感度が高い人は除く)。
私自身も多分本書に書かれた内容の半分も理解していないとは思いますが、大局観をもてればいいや、読んでいてわからない箇所はある程度とばしながら読んでいました。
読んでいて新しい知識や視野を得ることはできました。が、あらゆる人におすすめできる本ではないかもしれません。理由は言った通り難しいからです。
落合先生のことを知らない人に何かひとつ本を紹介するなら「ゼロヒャク」の方をおすすめしますかね。

 

 少し落合先生の好きな部分が少ない・・・

落合先生のファンであることのひとつに、「日本の成長のポジティブな提案」をどの本でもしてくれるからであります。いわゆる知識人のみなさんの本のまとめでは「日本はオワコンだから、期待せずに個人で生きろ」みたいなのが多い気がするのですが、落合先生は日本の暗い未来の中にも「日本なりの成長の仕方」を提案してくれていて、少し前向きになれるところが好きなのです。が、本書ではそんなに未来への希望みたいな話はなかったような気がします。主は未来予測の分析にとどまっていて、なら我々はどうすればいいのかな、っていう気持ちが残ったまま本を閉じましたね。
まぁそれは私が勝手に思っているだけなので、落合先生がこの本で伝えたいことは、世界の大局観を理解してほしい、ってことだろうと思いますので。
 
 

学校現場に思う。

 
最後に
落合先生の本を読むたび思うのですが。

本を読んでいて、ふと小学校現場に目をやると、これでいいのか、って思いますよね。

これだけ世界は数年前の常識と異なっていて、これから先、大きく変化することがわかっているのに。

義務教育の学校現場は20年前とほとんどやっていること変わらないですからね。
みんなで同じ部屋に入って、鉛筆とノートで黒板写して・・・。
 
自動運転 
AIへの労働代替、農業などもAIへ
マレーシアのクアラルンプールのシティブレイン計画 
アフリカのケニアでのファーウェイのセキュリティシステム。
 
本当に10年前からは信じられないくらい世界でのテクノロジーは発展しています。
 
新しいものを受け入れ、既存の概念を打破していかなければならないこの時代に、「個人を集団に合わせること」が根底にある義務教育のスタンスには不安を覚えざるを得ません。
 
学校の先生は難しくても落合先生の本1冊くらいは読んでもいいんじゃないですかね。そういう人が増えるとめちゃくちゃ少しずつ変わっていく・・・?少しずつだと遅いんですけどね。笑
余談ですが、前に働いてた学校の話で、10人くらい先生がいる場所で当時読んでいた本の話したんですけど、落合先生の名前知ってる人一人もいなかったんですよね。メディア露出も多いし結構有名人だと思っていたのですが。先生方の興味ある分野じゃないってことですかね。
 
まぁ個人の動きとしてはアンテナ張って固定観念にとらわれないムーヴしていきたいですわ。
 
 
初めて知った言葉1個だけ。
 
破壊的テクノロジー・・・iPhoneの登場のように、これまでの概念を一掃するほどのテクノロジーのこと。