グレ教員の日々の感想

学校嫌いな小学校支援学級教員。日々の思いを忘れないように書くブログ。子育て、学校、読んだ本とか。専門は発達障害支援。

「トンデモ採点」のSNS晒しは教員視点「ありがたい」って話

abstract

SNSでの「学校晒し」の炎上が多いが、教員としての一意見を言えば、基本的には「ありがたい」と思っている。教員アカウントが燃えている対象を擁護しているのが多く見受けられるが、「教員全体の信用が余計に落ちるからやめてくれ」と思っている。

 

SNSでの学校晒し

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TwtterやInstagramが流行するにつれ、SNSをやっていない人、が珍しい世の中になってきているなか、ちょっとしたことで「晒され、炎上する」みたいなことは日常茶飯事になってしまった。

 

その中で「うちの子が通う学校では、こんなおかしい先生がいる!!」「こんなおかしい活動をしている!」といった、(おそらく)保護者に寄る「教員晒し」「学校晒し」も時折行われ、拡散され、炎上することがある。

 

私が確認している限り、燃えている内容としては、

「おかしい採点をされた(多くはテストで理不尽に✗をつけられた)」

「おかしい行動の制限が学校からあった」

「先生に〇〇とひどいことを言われた」

という保護者からの主張が投稿となり、

 

「世間の常識から離れすぎてる!」

「学校ってやっぱり〇〇だ!」

 

みたいなリプやリツイートにより拡散され燃え上がる。っていう構図だと思う。

 

私はこの「晒し」について「まぁありがたい」と思っているし、基本的におかしいと世間の人が思ったことはどんどん拡散してくれ、と思っている。

 

晒しを支持する理由①:自分がおかしいことをしそうになっていることに気づける。

私がSNSで教員アカウントを作ってる一つの理由にもなっているが、世間の反応を知ることができるのは大きい。もちろんSNSの意見=世間の意見だと認識することは危険であるが、それでもひとつの意見として受け入れることで、自分が知らず知らずのうちに、世間の常識と離れている実践をしてしまう危険は当然にある。普段少なくとも、教員or子供としか仕事中には関わらないのだから、学校に長くいればいるほど、そのリスクはあがると思っている。だからこそ定期敵に「燃えている実践」を見ることで、「あ、これやったらイカンのやな」と思うことができる。「すぐSNSで晒される怖い時代になったものだ」という教員も多いが、このことだけに絞って言えば、知らず知らずのうちに変な実践を続けて保護者からの信頼を失うよりも、SNSで「人のふり見て我がふり直せる」といういい時代になったなぁ、と私自身は思っている。

 

晒しを支持する理由②:おかしな実践が淘汰される。

と、いいつつ、正直私がこれまで見てきた燃えている投稿は、「こりゃ燃えてもしゃーなしやな」ってことが大半である。だから実は、いまんとこ①で書いた理由があてはまらない。だけど、教員全体として、やはり燃えているのを見かけたら「あ、これ燃えるんや、やめとこ」っていう教員もきっといると思う。それにより、少しずつ学校からおかしな実践が消えていくのを一応期待できる。

ただ、このご時世に簡単に燃えそうな採点をするような教員ってSNSの感覚に疎いんやろな、っていう偏見もあるから、まぁこれについてはどうかな、って自分でも思う。

 

晒しを支持する理由③:被害者がいない場合は多い。

「採点晒し」とかが最たるものだが、教師の実践が炎上する場合と、企業や有名人が炎上する場合とで違うのが、個人が特定されない場合がほとんどということである。

その理由は、投稿する側が保護者である場合がほとんどであることに起因する。もしSNSで学校の実践を晒した場合、「実践をした教員が特定される=自分の子供が特定される」と同義なので、発信者側は(少なくとも自分の子供は)特定されないように気をつけて発信する意識が働くからである。結果、(晒された教員は気がつくのかもしれないが)「やったことは否定されても、それをやった個人は否定されない」というSNSの炎上にしては珍しく良心的な結果になっている。個人としては、「確かに間違えてはいるが、必要以上に叩かれすぎて、再起不能になる」みたいな結果になりにくいからこそ、学校の「非合理な実践」を晒すのを支持する理由が大きい。

 

逆効果な教員垢の擁護

あと、トンデモ採点が燃えたときとかに、投稿者に対し反論したり説得したりするいわゆる「擁護コメント」をしている教員アカウントがいるが、正直「逆効果だからやめたほうがいいよ」と思っている。

 

「間違えたからってSNSに晒すなんてよくない。本人に直接言え」という系の反論

「本人に直接言え」は、認識が完全に違うと思うので思い直してほしい。燃えている投稿の多くは、学校側の主張に「合理性がない」と投稿主および多くの人が考えられるものだからこそ燃えている。加えて、保護者の視点からして、子供を自身の目から離して日中預けている以上、基本的には教員が家庭よりも力がある立場だ。「合理性のない(と保護者からは見えている)教員に対して『本人に直接言え』」なんて基本的に「無茶言うな」というほかない。

例えば、会社勤めの人が「職場で上梓にされたパワハラの愚痴をSNSでつぶやくことについて、「パワハラと思うなら本人に『やめて』と言えよ」というリプライがあったとしたらどう思うだろうか。まぁそれは無理だからSNSに吐き出しているんだな、ってのは普通に考えたらわかるし、そういったリプライがついていたら、クソリプの類とみなしてよいだろう。そういった状況と同じだと私は思っている。

保護者視点、合理性のない学校の所業を投稿したら、「担任に直接言え」なんていう教員垢からのツイートが来たら「教員からクソリプ来た。やっぱ教員ってクソやな」としか思わないだろう。結果、学校擁護をしたつもりが、学校への信頼を下げる逆の効果しか生まないのじゃないかと思っている。。

 

 

以上から、基本的には「学校のおかしいところ」をSNSに投稿する行為は、学校側にも保護者側にも、広い目で言えばメリットのあることだと思っている。イチ教員としては、もし炎上してる実践を見かけたとしても。少し冷静になって、自分の実践を見直したり、教員の信頼を下げる投稿をしないほうがずっと有意義だな、とは思っている。

 

あ、思い出したから追記。

トンデモ採点系だけど、「学問的には正しいけれど、授業で言ったことと違うから」とする教員はもれなくクソなので、我が子の担任がその類だった場合は気をつけよう。「勉強というのは、先生の言うことに従うことだ」と子供が認識したらまずいですから。