グレ教員の日々の感想

学校嫌いな小学校支援学級教員。日々の思いを忘れないように書くブログ。子育て、学校、読んだ本とか。専門は発達障害支援。

「amazon 世界最先端の戦略がわかる」を読んだ感想

帰省をしない年末年始は最高。

久々にたくさん本を読んでる。

 

amazon 世界最先端の戦略がわかる

amazon 世界最先端の戦略がわかる

  • 作者:成毛 眞
  • 発売日: 2018/08/09
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

この本について

マイクロソフト代表取締役社長の成毛眞(なるけまこと)さんによる、誰もが知る世界的企業「Amazon」について解説している本。

2018年に発行された本なので、2020年現在のAmazonはこの本のときから変化しているが、「Amazonがどうやってここまで大企業になったか」という歴史書として扱いがいいかなと思う。

 

心に残った面白かった話

#1「品揃えが大量で、安い」を実現する仕組みとは より

 

◯「マーケットプレイス」という他企業がAmazonに出品できるシステム

これがAmazonの一番強いところ。

FBA(フルフィルメント・バイ・アマゾン)というシステムがAmazonマーケットプレイスという『場』をより強くする。企業がアマゾンのインフラ(注文・出荷・管理)を利用可能。これを使うことで企業の販売のハードルがめちゃくちゃ下がる。中小企業を含めてあらゆる企業の商品を取り込む。企業側はFBAを使うことで「プライム」対象となるプライムマークをつけることができ、より売れやすくなる。

Amazon自身が、すべての商品の価格設定を握れる。低価格で売るのをどんどんやってくるので、他の小売業は太刀打ちができない。ここが「場」のみを貸している『楽天市場』とは違うところらしい。

 

Amazon楽天の違いでいうと、Amazonはずっと「購入者」の幸福度が上がるようにサービスを通してきた。楽天は、『場』を貸すところであったため、出品業者が使いやすいように動いてきた。

Amazonの顧客は「購買者」、楽天の顧客は「出品業者」。その違いが購買者がAmazonのほうが満足度が高くなる理由であるってことも書いてあった。

 

Amazonは「兵站企業」

Amazonのプライム会員だったり、どこよりも安い価格設定だったりなど、私達のライフスタイルに入り込む形で事業を展開する。

アマゾンがなかったら生活できないかも、と個人はもちろん、多くの企業が思うくらいになるのがAmazonの戦略。

 

 

#2 キャッシュがあるから失敗できる より

◯アマゾンは利益を計上しない。

 

Amazonの強さは利益をほぼすべて設備投資にまわしている。

創始者ジェフ・ベゾスは「意図的な赤字」をしている。

Amazonは株配当なし(!)

 

Amazonには大量の現金がある。

マーケットプレイス」による商品の代金は一時的にアマゾンに入るので、手元にある現金で投資やM&Aの資金にする。

 

#3 アマゾンで一番利益をあげているAWS より

 

AWS(アマゾン・ウェブ・サービス)

 

これは全く知らなかった。

企業向けクラウドサーバー貸し出しサービス。

サーバーというのはネットビジネスをする企業にとってめちゃくちゃコストのかかる設備投資らしい。それを今までは多くの企業が自前でやっていたが、Amazonが大量にでかいサーバーを用意して各企業に貸し出す。企業側からしたら安く質の高いサーバーを使うことができる。

マクドナルドやネットフリックスといった大企業もAmazonのサーバーを使っている。

最近ではCIAも顧客になっているらしい。日本でも日立製作所やキャノン、UFJ銀行などの大企業も利用している。

 

実はこれがAmazonの一番の利益になっているらしい。そして、この部門でAmazonに勝てる企業はもうないらしい。IBMでもGoogleでも無理なんじゃないか、って書いてあった。Amazonの主力事業がサーバー屋だったとは普通に生活してたら知らないんじゃないかな、って思う。

 

 

本の感想

 

ページの厚みの割には読みやすい。

当然私自身も大変お世話になっているAmazonの話。普段めちゃくちゃ使ってるのにのに知らないことばっかりで「テレビの仕組み」とか「虹ができる仕組み」みたいな本が好きな人は経済興味なくでもそこそこ読める気もする。

 

著者は、10年後の経営学の教科書にAmazonは絶対取り上げられる、と話している。私自身は経営学に特段興味がなくても、雑学として普段使っているAmazonの内部の動きは普通に面白かった。

 

また、本書は専門用語等を使わないようにわかりやすいように書いたとのことで、ビジネス書に明るくない私にもほぼ理解できないところはなく、スムーズに読めた。

 

プライム会員の話は自分ごととして

私も入会しているプライム会員サービスだが、実はアマゾンの中でも、日本は世界規模でもプライム会員の売上が多いらしい。アメリカ、ドイツ、に次いで3番目とのこと。

アメリカでは、入会員数が増えるにつれ、会費がどんどん、上がっていったらしい。生活になくてはならないものになればなるほど、値上げしても客が減らないってことになるとか。

 

アメリカではサービス開始当初は年間39ドルだったものの、今は年間119ドルくらいになっているらしい。

日本でも、長期的には年間10000円くらいになるのでは、という著者の予想があったが、その値段なら日本人は入らないんじゃないかな、という感想。

 

今んとこプライムには月500円くらいの会費を払っている。これは送料1回無料にしてもらうだけで元取れるし、プライムビデオを無料で見続けることができて普通においしい。(欲をいえば子供向けコンテンツもう少し増やしてもらえるとありがたいが、それでも破格の値段なので)

 

私は月額1000円くらいになったならなら退会の検討をするのかもしれない。プライムの最速配達も便利は便利だが。

 

まとめ

一時期は時価総額で世界1位になったAMAZONの秘密がわかりやすく書かれていた本。

読み物として普通におもしろかった。