グレ教員の日々の感想

学校嫌いな小学校支援学級教員。日々の思いを忘れないように書くブログ。子育て、学校、読んだ本とか。専門は発達障害支援。

徒然駄文〜学習意欲の低い児童とオンライン授業について〜

「オンライン授業」が現実的になってきた

先のコロナ休校が学校に与えた影響の中で数少ない良かった点といえば、これまでに世間の流れから常に数年以上は遅れていた学校にオンライン授業という概念を持ち込んだことかもしれない。

 

これまでは、「学校に来ない子供」に授業を聞く機会を与えることについて、議題にすら上がらなかった学校も多かったのではないだろうか。

 

コロナ自粛・休校によって、いわば全児童が不登校状態となった事により、オンライン授業という言葉が一般的になり、実際に実践を行おうという教員や自治体が多く現れた。

これによって、面と向かって教員が教える授業、以外の学習の存在が市民権を得た。「オンライン授業が普及すれば様々な理由で不登校になっている児童にも教育を提供できるのではないか」という論も新聞などでとりあげるようになってきた(これだけ学校以外の社会は情報化に進もうとしている中で今更ながらの論ではあるが)。

 

しかし、実際に少しだがオンライン学習を休校中に実践したのを目の当たりにし、その可能性の大きさも去ることながら、現状解決できていない課題があるのを肌で感じた。

平時は小学校の先生の勉強の教え方の雑さ、知識の浅さに辟易している私であるが、今回は小学校の先生の役割とそのすごさを再考した。

 

学習意欲の低い子は学校に来ないと勉強しない。

 

さて、今年の4月5月は全国の多くの学校は休校になり通常の授業ができなくなった。

本校も例にもれず休校措置、家庭学習、とはなったのだが、その中で、学校に来ることでなんとか勉強のモチベーションを維持していた子どもが、「完全に学習の意欲をなくした」状態になったケースをいくつか確認した。

 

学習意欲がもともと低い児童については、担任の先生の声掛けや題材選び、周囲との関係性(まわりがやってるから自分もやる、的なこと)が諸々勉強の成果に直結するようだ。

どの学校にも「学習意欲は低いがなんとか勉強はやってきた」タイプの子がいると思うが、こういった子供たちは今回の休校明けの課題の出来などから、周囲の子よりも学習の遅れを感じることができると思う。

 

こういった子どもたちは、オンライン授業が主となる世界線においてはかなり格差を広げられてしまうだろう。

私はこれまで、「教室のみんなが横並びで一斉授業をする」ことの弊害をたくさん見てきた経験から、「動画授業を活用した個別学習」がもっと主流になればいいな、とずっと思ってきた。今回図らずも「オンライン学習」が立場を強くした傾向についてはポジティブにとらえていたのだが、負の側面も今回の件で考えることができた。

 

私が担任している支援学級でも「学習意欲の少ない子」はしばしばいて、「学習をおもしろいと思わせる」ことが第一手立てになることも多い。今回の休校中の家庭学習の課題について、私はそういった工夫をほぼすることができず「何もできない感」が強くあった。

 

小学校の先生の役割と今後

 

小学校の担任の先生は「勉強する雰囲気作り」をしている点についてはAI等に変われない重要な役割を担っていて、かつ専門性のある職だと改めて思った。

正直、普段は小学校の先生に対して「もう少し勉強してから喋ってよ・・・」と思いながら授業を聞いていることもあるが、勉強意欲が希薄な子供にもなんとか勉強をさせている点についてはもっと評価されるべきではないかな、と思う。

 

いずれにしても、オンライン学習が市民権を得るにつれ、学習意欲の高い子とそうでない子の格差は広がると思う。

この格差をどう解釈するかは色々あるとは思うが、私個人としては、意欲の高い子が効率よく学習できる、のは賛成だが、その裏で意欲の高くない子が格差を広げられることについて、あまりいい未来ではないとも思う。

 

ただ、いわゆる学校現場における特別支援も、変化を求められているのだとは思う。しかし、どのように変化したらよいか正直わからない。とりあえず今は、2回めの休校がないことだけを切に願っている。